11月初旬にコンパクトカーで和歌山県にある大門坂駐車場にて車中泊をし、田辺市本宮町にある熊野本宮大社、新宮市にある熊野速玉大社とともに熊野三山の一社となっている「熊野那智大社」へ行ってきました。
車中泊の翌朝歩いたのは
「熊野古道大門坂~那智大社~那智の滝」
という人気のハイキングコースです。
当日は11月にもかかわらず、朝の気温は14℃、昼間の気温は20℃という歩いていると汗ばむくらいの気温でしたが、とても良い運動になりました。
この記事では、熊野古道ハイキングの前半部分である「大門坂駐車場~那智大社」までを沢山の写真付きで紹介します。
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大門坂駐車場
大門坂駐車場は、お手洗いが24時間利用可能で街灯が少しあるだけなので、車中泊をするには静かで落ち着いて眠ることができる駐車場となっています。
お手洗い横に自販機はありますが、コンビニなどの飲食販売はなく、本当に暗いので、もし車中泊をされる方は「懐中電灯」と「朝食」をお忘れなく。
(お風呂は、「道の駅なち」に温泉があるので、そちらで入る方が多いです)
▼大門坂駐車場トイレ▼
▼大門坂駐車場▼
グーグルマップ
車中泊翌日、朝食を食べていよいよ出発!
大門坂駐車場内にある観光案内所前に、「八咫烏」を発見。
……「八咫烏」は神武東征の折、熊野から大和まで道案内をしたといわれる烏であり、熊野の神様のお使いとされています。……
引用元:熊野那智大社公式サイト「八咫烏について」
那智大社は日本サッカーとの結びつきが強い場所で、国際大会前になると日本サッカー協会関係者が「必勝祈願」の参拝に訪れるそうで、熊野の神様のお使いとされる「八咫烏」は、日本サッカー協会のシンボルマークにもなっています。
大門坂駐車場には、2011年FIFA女子ワールドカップ優勝とロンドンオリンピック銀メダルを記念して「なでしこジャパン記念モニュメント」が設置されており、モニュメント下には、2011年FIFA女子ワールドカップ優勝時の監督や選手の足型も。
▼なでしこジャパン記念モニュメント▼
大門坂駐車場から参道入口へ
駐車場を出て右手に歩いていくと那智大社への道標が。
道なりに進むと、道路の反対側に熊野古道大門坂の石碑が見えてきます。
道路を渡ると、日本三大古道の一つで、世界遺産となっている熊野古道大門坂の石碑を間近で見ることができました。
石碑を横目に見ながらしばらく歩いていくと、左手に和歌山県が生んだ博物学の巨星、「南方熊楠」が3年間滞在したという「大阪屋旅館跡」が見えてきます。
南方熊楠は、和歌山県が生んだ博物学の巨星。植物学・菌類学者としてのみならず、民俗学の創始者、19才から14年間アメリカ、イギリスなどへ海外遊学、10数ヶ国語を自由に使いこなし、国内外に多くの論文を発表し、日本に「ミナカタ」ありと世界の学者を振り向かせました。天文学、鉱物学、宗教学などにも多くの足跡をのこしています。……
引用元:南方熊楠記念館トップページより
さらに進むと鳥居と赤い橋(振ヶ瀬橋)が現れ、この振ヶ瀬橋は「俗世と聖域の境界」とのこと。
橋を渡ると祈り石である「那智の七石」の一つ、「鏡石」が。
那智の七石は「鏡石・唐斗石・平石・三ツ石・降石・笈掛石・烏石」の七つあり、すべてに祈りをささげると願いが叶うといわれています。
鏡石の先には、大門坂茶屋があり
こちらでは平安時代の衣装の着付体験ができます。
衣装を着て大門坂を背景に写真を撮影したり、そのまま那智大社へ参拝に行かれる方も。
大門坂茶屋を通り過ぎると、いよいよ森の中へ。
※参考(那智大社全体の地図)
⇒熊野那智大社公式サイト「社殿案内」
入口には樹齢約800年の夫婦杉があり、向かって右が男性、左が女性といわれています。
写真がわかりにくくてスミマセン!実は今回、両方をきれいに撮影したものがなくて(T_T)
左の木のみ撮影していました…
2010年に訪問した際の写真ですが、夫婦杉の全体像を撮影しているので、記念に載せておきます。
この先、樹齢200年以上の杉並木と石段・石畳が続きます。
夫婦杉を通り過ぎるとすぐ右手に「多冨家王子跡」が見えてきます。
江戸時代には社殿があったそうですが、明治十年に熊野那智大社の境内に移されたとのことです。
さらに石段を歩いていくと樹齢約800年の楠大樹が。
大門坂には非常に立派な杉の木が両側に立ち並び、中央の石畳との景観が訪れる人々を魅了します。
途中にまたとても大きな木が…。枝の太さにビックリ!
まだまだ続く石段・石畳を歩き続け、
途中にあった2つ目の那智の七石「魔斗石」を写真に収めつつ、
(実は右の黄色い石です。気が付かず切れてます~)
さらに石段を歩き、
大門坂入口から267段の石段を登りきると、やっと目の前の視界が開けました。
登り切ったすぐ右手には、大門坂についての案内板が設置されており、
かつてはこの場所に大門があり、通行税を徴収していたことから「大門坂」と名付けられたと記載されていました。
参道入口まではまだたどり着いていないので、さらに直進し、突き当りにある「右巡礼道」の道標に沿って、右へ進みます。
途中に案内板があり、立ち寄ってみたところ
足元の石材は、江戸期の仮橋として使われていたものであることがわかりました。
1800年代に生きていた方々もこの石材の上を歩いていたかと思うと、なんだか歴史のロマンを感じますね(*^^*)
案内板の先を見るとまた階段が(^^;
階段を上ると、次は坂道が続き、
やっと平たんな道に到着!
左を見ると、那智山観光センターの駐車場がありました。
大門坂の石段・石畳を登るのが大変と思われる方や、時間がない方は、那智山観光センター駐車場へ止めた方が那智大社まで早く行けます。
また、この先の参道にある階段も登るのが難しい場合は、那智大社の社務所下にも駐車場がありますので、そちらをご利用ください。
※神社防災道路通行料800円が必要。駐車台数30台。
▼那智大社駐車場(社務所下)▼
ハイキング好きな私としては、熊野古道大門坂の非常に立派で美しい杉並木に囲まれた石段・石畳をぜひ歩いていただき、森の中の新鮮な空気や厳かな雰囲気をぜひ体感していただきたいですね。
那智山観光センター駐車場と反対の右手に行くと、那智大社への参道入口が見えてきます。
参道入口から那智大社へ
大門坂駐車場からずっと登りが続いていたので、やっと平坦な道を歩くことができたと思ったら、さらに階段が!
那智大社は山の上にあるのですから、当たり前と言えば当たり前なのですが、車中泊であまりしっかり眠ることができなかったことと、11月にもかかわらず気温が20℃もあり、半袖を着ていても歩くと汗ばんでくるので、少々疲れが出てきました(^^;
参道入口には「入山心得」の案内があり、
登山と同じく
- ごみは持ち帰ること
- 残していいのは足あとだけ
- 持ち帰りはお土産と思い出だけ
と書かれていました。
あと一息!頑張らなくては!
階段を登りきったところに那智大社の地図があり、
「現在地」と書かれたところから那智大社までは、この地図上で見る限りあと少し♪
看板の右手に向かい、平坦な道を進むと
前方に、平安衣装を着たカップルが(*^^*)
日中の気温が20度もあり歩いていると汗ばんでくるような日に、あの衣装で大門坂を歩いてきたことに感心しましたが、きっとお若いカップルなのでしょう(笑)
正面突き当りまで進むと、右手からとても心地よい風が吹いてきて、かなり疲れていた私達夫婦は、汗が引くまでしばらく休憩タイム。
実は突き当たって左を見ると、
延々と階段が続いています。
先ほどの地図では、階段はあと少しだけかと思ったけれど、違いました(笑)
あまりに暑くて二人とも汗が引かず、なかなか先に進む気になれなくて、風が吹き抜けるこの場所で15分ほど休んでいました。
しばらくすると、我が家と同じように息切れをした親子が歩いてきたので、
「ここ涼しいですよ。どうぞ。」
と休憩場所を譲り、先へ進むことに。
階段を上ると左手には、熊野行幸の際に上皇や法皇の御宿所となった「実方院跡」があり、
ここには和歌山県下でも珍しい、樹高約10m、幹回り約1.8mの樹齢400年余りとなる天然記念物「木斛の大樹」と、那智の七石の一つ「平石」がありました。
ここからさらに階段を上り、
(右手奥にお手洗いがあります)
お土産屋さんの前を歩いていくと、
やっと那智大社の「一の鳥居」が見えてきました。
階段を登って右手に行くと西国一番札所「那智山青岸渡寺」に行くことができますが、私達夫婦は那智大社を目指してさらに先へ進みます。
「一の鳥居」の右手には世界遺産の石碑が。
鳥居をくぐると左手には手水舎があり、
右手には、かつて熊野古道大門坂にあった「多冨気王子神社」があるのですが、撮影し忘れました_| ̄|○
さらに階段を進むと、
いよいよ最後の階段と「二の鳥居」が見えてきました。
今日はひたすら階段を登ってきましたが、あと少しです。
階段途中で扁額を撮影し、
最後の階段を登るとようやく那智大社に到着!
この記事を書いていてわかったのですが、実は那智大社の参道には「467段」の階段があるそうです。
熊野古道の大門坂が「267段」なので、さらに200段多かった~(^^;
運動不足の中年夫婦ですが、頑張りました!
鳥居をくぐって左手には「社務所」があり
鳥居正面には宝物殿が建っています。
宝物殿の右には八咫烏をお祀りする御縣彦社があり、正面に八咫烏の像があります。
御縣彦社の右には礼殿があり、こちらでお参り。
礼殿には様々なお守りなどがあります。
※参考
⇒熊野那智大社公式サイト「授与品」
とても大きなおみくじもありました。
実際に引いている方をみましたが、大きいので逆さまにしてくじを出すのが大変そうでした(笑)
礼殿の奥には本殿がありますが、正式参拝をする方のみ入ることができるそうです。
礼殿の右にある大樟は、那智大社の御神木「樟霊社」。
- 樹齢:約850年
- 樹高:約27m
- 幹回り:約8.5m
もあり、幹が空洞化しているため、護摩木(300円)または、絵馬(500円)を持って通り抜ける「胎内くぐり」を体験できます。
ひと通り那智大社の参拝が終わったので、次はすぐ隣にある「那智山青岸渡寺」へ。
長くなりましたので、この続きは別記事にて紹介します。
▼観光本▼
るるぶ和歌山 白浜 パンダ 高野山 熊野古道’25
那智大社参拝は大自然を満喫できる熊野古道大門坂から
初めてのコンパクトカー車中泊にもかかわらず、いきなり遠方の和歌山県まで出かけた我が家ですが、お天気に恵まれた最高のハイキング日和となりました。
私達夫婦は途中休憩を頻繁に取りながらゆっくり歩いていたので「大門坂駐車場から那智大社」まで、1時間40分ほどかかりましたが、健脚の方は約40分ほどで到着できるそうです(^^;
熊野古道大門坂を歩いていると、樹齢200年以上の木々に囲まれながら苔むした石段を進んでいくので、まるで昔の時代に戻って参拝に行くような、とても厳かな気持ちに。
那智大社までの道のりは、とにかく階段が多いので運動不足の我が家にとっては、なかなか厳しい道のりでしたが、頑張って歩いていくだけの価値が大いにあるハイキングコースとなりました。
ハイキング後半は、「那智山青岸渡寺」、「三重塔」、「那智の滝」へ。
※熊野古道 次の記事
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