長野県・戸隠(とがくし)には、霊山としての深い歴史と自然の美しさを併せ持つ「戸隠神社」があります。
ここには5つの神社が点在していて、「五社巡り」として多くの人が訪れており、我が家も車で順番に参拝をしてきました。
今回は夜中に家を出発し、朝6時ごろから「戸隠神社の五社巡り」を開始。
下調べ時に、繁忙期の渋滞はかなりのひどさという情報が多かったため、現地へ着くまで内心ドキドキでしたが、早起き(夜中起き?)が功を奏し、スムーズに参拝を終えることができました!
- 車で五社巡りしたいけど、回り方はどの順番が良いの?
- 持ち物や服装はどんな準備をしたの?
- 戸隠神社にはどんな歴史があるの?
など、戸隠神社の歴史や我が家が実際に回ったルート、服装・持ち物の注意点や神社の様子などを現地で撮影した写真を交えながら紹介していきます。
これから初めて戸隠神社 五社巡りを車で回ろうと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね!
(五社巡りの駐車場記事はこちら)
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戸隠神社の歴史的背景は?
最初に戸隠神社の歴史的背景を簡単にご紹介します。
長野県・戸隠は、神秘的な自然と深い信仰の歴史が息づく地として有名で、中でも「戸隠神社」は、奥社・中社・宝光社・火之御子社・九頭龍社の五社を巡拝する「五社巡り」で知られています。
戸隠神社の創建は、古事記や日本書紀に記される「天岩戸(あまのいわと)神話」に由来し、岩戸に隠れた天照大神を引き出した神々の活躍の舞台となったとされるのが、この戸隠の地。
天照大神が岩戸に隠れ、世界が闇に包まれた時、力自慢の神・天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)が岩戸を開き、再び世に光が戻ったという有名な神話です。
こうした背景をもとに創建された戸隠神社は、平安時代から修験道の聖地として栄え、近年はパワースポットとしても世界中の観光客から注目を集めている神社となっています。
五社巡りを車で回る順番は?
戸隠神社公式サイトにて確認しましたが、五社巡りの順番は特に決まりはないそうです。
我が家の場合は、戸隠神社の南に位置する長野自動車道から向かったため、最初に到着する「宝光社」から参拝を開始しました。
下記に、我が家の大体の時間帯を記載してありますが、写真撮影が多いので、ゆっくり歩いた場合にかかる時間と思ってくださいね。
- 宝光社(6:00前着)
- 火之御子社(7:00前着)
- 中社(7:40ごろ着)
- 奥社入口駐車場へ(8:20頃着)
- 九頭龍社(9:20ごろ着)
- 奥社(9:30ごろ着)
- 奥社入口駐車場へ(11:00頃着)
※⑤⑥は奥社入口駐車場からかなり歩きます
(撮影時間含めて片道50分ほど。混雑時は奥社の階段待ち時間が1時間以上必要な時もあり)
- 火之御子社:授与所無し
(御朱印は、参拝後に中社または宝光社にて) - 九頭龍社・奥社:授与所同じ
我が家は御朱印集めをしていないため、渋滞回避をしようと、早朝6時頃から1社目の参拝をしましたが、もし、御朱印集めも目的で行かれる方は、各神社の授与所の受付時間は9時からとなっていましたので、参拝開始時間に気を付けてくださいね。
なお、授与所開設期間は季節により異なりますので、正確な受付時期・時間は公式サイトにてご確認ください。
>>戸隠神社公式サイト「お知らせ」
ネットで見つけた地元の方の現地情報では、
- 9時頃から各神社の駐車場が満車
- 駐車場待ちの車で大渋滞が発生する
- 9時までに駐車場を確保
- 歩いて各神社巡りをする方が渋滞を回避できる
ということでしたが、正直「宝光社」に車を止めて、その後全て歩いて回るのは、ハイキングや登山に行き慣れたかなりの健脚の方向きです。
また、虫が出てくる季節は、アブが非常に多く飛んでおり、クマも出没する地域。
特に、「奥社」までは奥社入口駐車場から片道40~50分ほど歩くことになりますので、余力を残しておいてくださいね。
※写真撮影しながらかかった時間です。
※繁忙期は、最後の奥社への階段で1時間半並んだという声もネット上で見かけました。
我が家のように「参拝のみ目的」の場合は、早朝から五社巡りを開始すると、渋滞知らずで回ることができるので、オススメですよ。
繁忙期は一方通行になる道や、シャトルバスの運行もあるようですので、お出かけ前に必ず公式サイトをご確認ください。
駐車場について、詳しくは別記事にまとめましたので、そちらをご覧ください。
▼戸隠神社 五社巡り「旅行計画お役立ちマップ」や、当日利用した駐車場などを紹介しています

五社巡り時の服装・持ち物は?
長野県の戸隠神社は、標高が少し高いため、普段街中で暮らしている場合、訪れる際には少し服装などに注意が必要となります。
大体の目安を一覧表にしましたので、お出かけのシーズンに合わせて、参考にしてくださいね。
なお、下記はあくまでも「目安」で、近年は、急に夏日になったり、夏なのに肌寒くなったりする場合があります。
お出かけ前に「天気予報」にて現地の気温を確認し、重ね着で体温調節ができるようにしておくと快適な旅になりますよ♪
▼戸隠神社 月別気温と服装の目安
月 | 平均最高気温 | 平均最低気温 | 服装の目安 奥社・九頭龍社=例年1月上旬から4月後半まで閉殿期間 |
---|---|---|---|
1月 | -2℃ | -10℃ | ダウンジャケット、厚手のコート、手袋、マフラー、スノーブーツなどの防寒対策必須。積雪・凍結に注意。 |
2月 | 0℃ | -10℃ | 1月と同様の防寒装備。滑りにくい靴や防寒小物を準備。 |
3月 | 4℃ | -7℃ | 厚手のコートやダウン、手袋、マフラーなど。 残雪があるため、滑りにくい靴を。 |
4月 | 12℃ | -7℃ | 長袖シャツ、セーター、コート。 朝晩は冷えるため、ライトダウンの重ね着などで調整を。 残雪があるため、滑りにくい靴を。 |
5月 | 18℃ | 5℃ | 長袖シャツ、カーディガン、薄手のジャケットなど。日中は過ごしやすいが、朝晩は冷えることも。 |
6月 | 21℃ | 10℃ | 長袖シャツ、薄手のセーターやパーカーなど。 ※天候が変わりやすいため雨具も |
7月 | 24℃ | 14℃ | 半袖シャツ、薄手の長袖、羽織るものなど。朝晩は涼しいため、軽い上着があると安心。 ※天候が変わりやすいため雨具も |
8月 | 26℃ | 15℃ | 半袖シャツ、薄手の長袖、羽織るものなど。朝晩は涼しいため、軽い上着があると安心。 ※天候が変わりやすいため雨具も |
9月 | 20℃ | 11℃ | 長袖シャツ、カーディガン、薄手のジャケット。朝晩は冷えることも。 ※天候が変わりやすいため雨具も |
10月 | 14℃ | 4℃ | 長袖シャツ、セーター、厚手のジャケット。紅葉シーズンで冷え込みが強まる。 |
11月 | 8℃ | -3℃ | コートやダウンジャケット、手袋、マフラーなどの防寒対策が必要。 |
12月 | 2℃ | -7℃ | ダウンジャケット、厚手のコート、手袋、マフラー、スノーブーツなどの防寒対策必須。積雪・凍結に注意。 |
特に一般の観光客が増えるゴールデンウィークやお盆・紅葉シーズンは、街中と同じ服装で出かけると、かなりの気温差で風邪を引く可能性大となりますので、
- 風よけのウィンドブレーカー
- ウルトラライトダウンジャケット
- スカーフやコットンマフラー
など、重ね着をして、当日の気温に合わせて調整できるようにして行くのがオススメです。
また、木陰が多いとはいえ、帽子や日焼け止めなどの紫外線対策は必須です。
ちなみに我が家はお盆休みに行ったのですが、昼間は半袖、朝と夕方は薄手の撥水ウィンドブレーカーを羽織り、さらに昼前から雨予報だったので、念のため折り畳み傘もリュックに入れていきました。
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戸隠神社 五社の駐車場・御利益一覧
五社巡りの駐車場記事にも載せましたが、参拝順に駐車場やご利益などの一覧表を当記事にも再掲しておきます。
(駐車場記事はこちら)
神社名 | 駐車場名前 | 駐車場 | 主なご利益 | 御祭神 |
---|---|---|---|---|
宝光社 | 宝光社 参拝者駐車場 | 約20台 無料 24時間可 | 学問成就 女性守護 子育て | 天表春命 |
火之御子社 | 火之御子社 駐車場 | 約3台 無料 24時間可 | 舞楽芸能上達 縁結び 火防の神 | 天鈿女命 |
中社 | 中社 西側駐車場 訪問時、中社表側は 有料駐車場でした | 約100台 無料 24時間可 | 学業成就 商売繁盛 家内安全 | 天八意思兼命 |
九頭龍社 | 戸隠神社 奥社入口駐車場 奥社と共通 | 奥社入口P 800円/3時間 24時間可 | 縁結び 虫歯の神 水の神 | 九頭龍大神 |
奥社 | 戸隠神社 奥社入口駐車場 | 同上 | 心願成就 五穀豊穣 スポーツ必勝 | 天手力雄命 |
ここからはお盆休みの早朝5時半ごろに到着した「宝光社」の駐車場から、最終目的地「奥社」までの参拝ルートを当日撮影した沢山の写真を交えながら、順番に詳しく紹介していきます。
宝光社
▼宝光社参拝者駐車場(グーグルマップ)
宝光社 基本情報 | |
---|---|
主なご利益 | 学問成就・女性守護・子育て |
御祭神 | 天表春命(あめのうわはるのみこと) |
駐車場名前 | 宝光社参拝者駐車場 |
駐車場 | 約20台/無料/24時間利用OK |
五社巡りのスタート地点として親しまれている宝光社は、約2000年の歴史を持つとされる古社。
かつては女人禁制だった戸隠信仰の中で、女性の参拝を許された神社としても知られ、女性に特に篤く信仰されてきた歴史があります。
参道(階段)のスギ並木や社殿に施された見事な彫刻は必見です。
宝光社の社殿へ行くためには、長い石段(270段)を上る必要があります。
ベビーカーなどは無理なため、赤ちゃんを連れて参拝したいご家族は、抱っこ紐などを利用して参拝してくださいね。
車で参拝される方用の「宝光社参拝者駐車場」がありますが、車を走らせていると通り過ぎてしまいそうになるので、注意してください。
下記グーグルマップを見ていただくとわかりますが、宝光社へと続く道を走っていると正面に階段が見えてきます。
ここを右に曲がるとすぐに左手に「宝光社」の看板が出てきますので、箱根のいろは坂の様に、左にグルッと曲がってください。

そのまま進むと、すぐに宝光社参拝者駐車場が左手に見えてきます。

朝の5時半ごろに到着したので、まだ誰もいません(^^;
車でササッと朝食を済ませ、ウォーキング用の靴や持ち物を準備。
虫刺され予防に虫よけスプレーをかけ、クマよけの鈴もリュックにぶら下げ、いざ出発です。
駐車場をさらに奥に行くと、左手に美味しい戸隠そばが食べられることで有名な「つる屋」さんがありました。

ただ、あまりに早すぎて、我が家は食べることは出来ませんでしたが、外にあったメニュー看板などを撮影してきたので、載せておきます。



つる屋さんの横には道路から続く階段が。
宝光社は階段が約270段あるそうですが、我が家は駐車場へ車を止めたので50段くらいでしょうか、少しだけショートカットしました(^^;
一番下から上る方は、下記画像の階段からスタートとなります。

早朝ということもあり、空気が澄んでいて、とても厳かな雰囲気です。



鳥居の左手にお手洗いがありますので、神社巡りを始める方は、ここでお立ち寄りください。
鳥居をくぐって、右手奥にある手水舎にて身体を清め、

いよいよ長い階段へ。

両側に可愛らしい狛犬がお出迎えしてくれます。
真下から階段を見上げてみると、こんな感じ!

結構な階段です(^^;
気合を入れ直し、一段一段ゆっくりと上っていきます。
参道両脇には見事な杉の木が並んでおり、平安時代から続く長い歴史を感じさせますね。
途中、ちょうど息切れする頃に、女坂が左手に現れます。
階段が辛くなってきた方、足腰に自信のない方は、こちらから宝光社へ向かってくださいね。

私たち家族は、そのまま階段へ。
頑張って階段を上り終え、宝光社へ到着!

宝光社社殿は、戸隠神社5社の中で、最も古くに建てられたものだそうです。
奥社などは、雪崩などで何度も再建された歴史があるので、江戸時代の建物が残っているというのは、非常に感慨深いものがありますね。

逆光で少し霞んでしまいましたが、宝光社の参拝時は、ぜひ上を見上げて見事な彫刻をご覧になってくださいね。



境内には「神輿庫」があり、中にとても煌びやかな神輿が飾られていましたので、こちらもぜひご覧ください。

我が家はここから次の「火之御子社」まで、「神道(かんみち)」を通って歩いて行きました。
最初は、歩いて五社巡りをしようかと思い、次の「火之御子社」へ準備万端で出発したつもりでしたが、お盆の時期はこの先の神道にアブが多く、虫除けの効きが悪かったので、「火之御子社」参拝後、また「宝光社」に戻り、結局車で神社巡りを行いました。
ただ、今思い返してみると、車で巡ったおかげで、各神社へ早めに到着することができ、最後の奥社へと続く階段で待ち時間ができることなく、スムーズに五社巡りを終えることができたので、早朝から車で五社巡りは大正解でした。
(数日前に、奥社への参拝で数時間並んだとSNSでつぶやいていた方がいたので、ホッとしました。)
せっかくなので記念に撮影した「火之御子社」までの「神道」の写真も載せておきます。
宝光社と神輿庫の間に「神道」入口があり、我が家は歩いて2社目の「火之御子社」へ。


途中、クマよけの大きな鈴があり、数日前にXで戸隠参拝時にクマの親子が参道を横切っている動画を見たばかりだったので、念のため鳴らしておきました。

しばらく進むと、「伏拝所」と書かれた案内が立っており、昔はここから奥社を見ることができたようですが、現在は木が茂っているため、見ることは出来なくなっています。
昔、奥社は女人禁制、冬場は積雪が多い地域で登拝が困難ということで、四季を通して老若男女がお参りできるように宝光社を建てられたとの案内がありました。


伏拝所から少し進むと、「火之御子社」へと続く道標が見えてきたので、案内に沿って「火之御子社」へ。

火之御子社
▼火之御子社駐車場(グーグルマップ)
火之御子社 基本情報 | |
---|---|
ご利益 | 舞楽芸能上達・縁結び・火防の神 |
御祭神 | 天鈿女命(あめのうずめのみこと) |
駐車場名前 | 火之御子社駐車場 |
駐車場 | 約3台/無料/24時間利用OK |
神仏習合の時代において、他の四院は僧が奉仕していましたが、火之御子社は神職が奉仕し、終始神社としての姿を保ってきたとのこと。
主祭神である天鈿女命は、天岩戸の前で神々の前に舞を奉納した日本最古の踊り子ともいわれ、芸能の始祖としても知られています。
そのため、火之御子社は芸能関係者や表現者からの信仰が篤い神社といわれています。
※現在の社殿は、明治17年に再建し、平成17年に修復を終えたとのこと
宝光社から神道を通り、15分ほど歩いて「火之御子社」へ。
神道から下りて行くと、「火之御子社」社殿の横に、とても立派な「夫婦杉」がありました。
社殿を正面から見ると、左奥になります。


しかも「ねじれ杉」。
推定樹齢約500年の夫婦杉はかなりの迫力があります。
ねじれ杉になる原因は、風が一方からあたり続けることでねじれるという説もあれば、ゼロ磁場があるパワースポットにできやすいという説もあるようで、ハッキリとはわかっていないようです。
(奥社へと続く杉並木にも「ねじれ杉」がいくつもあるので、ぜひ探してみてください。)
ただ、神社はゼロ磁場に建てられていることが多いという説もあります。
三重県にある伊勢神宮内宮の別宮「瀧原宮」はゼロ磁場があるパワースポットといわれており、その参道にもとても大きくて立派な「ねじれ杉」がありました。
他の神社境内でも時々見かけるので、やはり特別なパワーが宿っているのかもしれませんね(*^^*)
「ゼロ磁場」とは、異なる方向からの磁力が拮抗して、磁気がほぼゼロに近くなるとされる珍しいエリアのこと。
自然のエネルギーが調和している場所とされ、心身を整える“癒しスポット”として注目されています。
特に有名なのが、長野県の分杭峠。
科学的な裏付けは明確ではないものの、「なんだか心が落ち着く」「元気になれる」と感じる人も多く、不思議な魅力に惹かれて訪れる人が絶えません。
我が家は「宝光社」から歩いて「火之御子社」に向かったため、社殿の裏側から境内に入ることになりましたが、車で来た場合は、道路沿いに駐車場が3台分あり、そのすぐ隣に鳥居がありますので、そちらから境内に入ることになります。


上記画像の階段を上がっていくと、正面に社殿があります。

上記画像の「火之御子社」社殿左奥に見えている注連縄のついている木が夫婦杉です。
「宝光社」から「神道」を歩いてくると、夫婦杉の横を社殿に向かって下りてくることになります。
火之御子社の手水舎は、道路沿いの鳥居をくぐって社殿に上がる階段の左手にあるのですが、撮影し忘れました…。

とてもこぢんまりとしており、スギの木に囲まれた静かな場所にある落ち着いた雰囲気の神社です。
火之御子社には授与所がないため、社殿に御朱印に関する案内板がありました。

御朱印目当ての方は、各神社の授与所の受付時間(9時~)以降に、案内に書かれた神社へ訪れてみてくださいね。
中社
▼中社 西側駐車場(グーグルマップ)
中社 基本情報 | |
---|---|
ご利益 | 学業成就・商売繁盛・家内安全 |
御祭神 | 天八意思兼命(あめのやごころおもいかねのみこと) |
駐車場名前 | 中社 西側駐車場 (朝一なら、手前にある中社 西参道入口駐車場の方が近くて便利です) |
駐車場 | 約100台/無料/24時間利用OK (表側は有料駐車場でした) |
戸隠神社の中心的な存在で、境内も広く、参拝者で最も賑わう社です。
境内の巨大な三本杉や、風格ある社殿も見応えがあり、古くから戸隠修験道の中心として栄えました。
また、社務所では五社巡りの「五社参拝記念しおり」なども受け取れるので、巡拝の拠点としてもおすすめです。
火之御子社から中社までは、車で2分ほど、五社巡り一社目の「宝光社」からは車で5分ほど走ると到着します。
駐車場記事に詳しく書きましたが、中社の駐車場は神社の西側まで行くと、無料駐車場があります。
(駐車場記事はこちら)
下記の画像が、中社 西参道入口駐車場の看板です。

写真にも記載がありますが、この駐車場は朝一は空いていますが、台数が少ないので、満車の場合はさらに30mほど進んだ右手にある「中社 西側駐車場」へ。
我が家は朝7:40頃に到着していたため、神社に近い「中社 西参道入口駐車場」の方に止めることができました。
駐車場から西側の鳥居に向かい、

鳥居をくぐって左手にある手水舎で身体を清めます。

駐車場に、「中社境内案内図」があり、3本杉やさざれ瀧などの見どころがあることも分かりました。

西鳥居からそのまま中社拝殿へ参拝に行けるのですが、せっかくなので、大鳥居を正面から見たくて、西鳥居をくぐった後、右手の「女坂」を下っていき、大鳥居へ。

ちょうど雲が晴れて青空が出てきたので、一段と大鳥居と木々の緑の美しさが際立ち、見とれてしまいました。
大鳥居を正面に見て、左後方に「戸隠観光情報センター」がありますが、営業時間は9時からとなっていますので、立ち寄りたい場合は、時間に気を付けてくださいね。
また、大鳥居を正面に見て、左右後方に「三本杉」(左:『ろ』の杉、右:『は』の杉)がそれぞれあるのですが、私は写真を撮り忘れてしまったので、これから参拝予定の方は、鳥居をくぐった先にある「三本杉」だけでなく、そちらもご覧になってくださいね。
大鳥居をくぐると、右手に樹齢800年を超える大きな「三本杉」(『い』の杉)があります。


この大きな3つの杉は、一辺およそ72mの正三角形状に植えられており、そのいきさつは諸説あるようですが、そのうちの一つの伝説の要約は
昔、海辺の漁師が人魚を捕らえ、子どもたちがその肉を口にしてしまったという悲話にさかのぼります。
深い悔悟の末、漁師は出家し、子どもたちの供養と贖罪のために三本の杉を植えました。
この三本杉は、今も人々に命の尊さと信仰の深さを静かに伝え続けています。
詳しくは、戸隠神社の公式サイトにてご確認くださいね。
>>戸隠神社「戸隠の神話 三本杉の話」
三本杉を横目に歩いて行くと、正面に中社拝殿へと続く階段が、

左手には、「女坂」があり、階段が辛い方は、そちらから中社拝殿へ向かうこともできます。

私は駐車場から女坂を下りてきたため、今度は、正面の階段を上って中社拝殿へ。
階段を上りきると、狛犬を超えてすぐ左手に樹齢700年以上と推定されている「御神木」があり、少し傾いているためワイヤーで固定されていました。

階段を上って左手にある建物が「社務所」、

右手にある建物が「宝物館」で、開館時間は9:30~となっていました。


我が家は早朝参拝の為、今回は入ることができませんでしたが、様々な歴史資料の展示を見ることができるので、参拝時間と開館時間が合う方は、ぜひ立ち寄って見てくださいね。
大鳥居から階段を上って正面には、非常に立派な造りの中社拝殿が建っています。


戸隠神社の中でも中心的な存在である「中社(ちゅうしゃ)」ですが、実は今の拝殿は昔からずっと残っていたものではなく、昭和17年(1942年)に起きた火災で、本殿も拝殿もすべて焼けてしまったという過去があります。
その後、多くの人々の想いと力が集まり、昭和31年(1956年)に現在の社殿が再建されました。
屋根は銅板ぶき、格式ある入母屋造という造りで、正面には立派な唐破風の屋根が特徴的です。
ちなみに、中社の天井に描かれている「龍の絵(龍の天井絵)」は、明治時代の名工・河鍋暁斎が手がけたと伝わっています。
元の作品は火災で失われてしまいましたが、残っていた絵葉書などを元に、後年復元されたものが現在の天井に描かれています。
写真撮影はOKかどうかわからなかったため、撮影はやめて拝殿の横からしばらく眺めていました。
とても立派なので、参拝される方はぜひご覧ください。
また、中社拝殿の右奥には、「さざれ滝」があります。

さざれ滝は、戸隠山から湧き出る清らかな水が流れる小さな滝で、昔は修験者が心身を清める修行の場として使っていたそうです。
「さざれ」は“細かい石”や“小さな流れ”という意味で、静かで美しい水音に気持ちが落ち着き、とても癒されます。
今では「浄化のパワースポット」として知られていて、私が行った時も他の参拝者が写真を撮影していました。
中社境内には、大鳥居の右手にある階段を上ると、五斎神社や天神社などがあったのですが、
(下画像の赤枠部分)

我が家は先を急いでいたこともあり、すっかり忘れて、次の九頭龍社・奥社の駐車場へ向かってしまいました…。
これから初めて参拝予定の方は、ぜひ訪れてみてくださいね。
九頭龍社・奥社
「九頭龍社」と「奥社」は山の奥にあるので、参道の近くにある「奥社入口駐車場」に車を止め、歩いて向かうことになります。
ここからは、奥社入口駐車場から、九頭龍社・奥社参拝までの参拝記録をご紹介します。
奥社入口駐車場

中社から車で5分ほど走ると、奥社入口駐車場に到着します。
上記写真は、中社方面に向かって撮影しているので、奥社へ向かって車を走らせて来ると、写真右側の駐車場が左手に見えてきます。
グーグルマップでみるとこんな感じ↓↓↓
この奥社入口駐車場からは、40~50分ほど歩くことになるため、トレッキングシューズなど、歩きやすい靴を履いてお出かけください。
また、我が家がお盆休みに参拝した数日前に、観光客が沢山歩いていたにもかかわらず、クマの親子が参道を横切って驚いたという動画をSNS上で見かけたので、クマ鈴なども身に着けて行かれることをオススメします。
それから、結構な距離を歩くので、飲物や紫外線予防も忘れずに!
それではいよいよ今回の最大の目的地である奥社へ。
ここから先、お手洗いが参道途中に1ヶ所しかなく、奥社・九頭龍社にはお手洗いがないため、出発前に駐車場のお手洗いに一度立ち寄ってくださいね。
※参道途中のトイレは「明かり・水・トイレットペーパーなし」との情報
駐車場のお手洗いを過ぎてすぐに「奥社の茶屋」があり、おそばやコーヒー、アイスクリームなどをいただくことができます。
行きは開店前だったので立ち寄れませんでしたが、帰りに食べたりんごソフトクリームがとっても美味しかったです♪
奥社へと続く参道へ

「奥社の茶屋」からさらに奥へ歩いて行くと、すぐに参道入口が見えてきます。

ここからは、ひたすら真っ直ぐ続く杉並木をあるいていきますが、参道に入ってすぐ右手に「奥社前 なおすけ」というお食事処があります。

まだ、8:30頃だったので、お食事処は仕度中でしたが、ソフトクリームなどのおやつの窓口は開いてたようで、購入されている方がチラホラ。
観光客で混み合う前に杉並木を歩きたかったので、我が家はそのまま素通りして、さらに先へ。
しばらく歩くと、大鳥居が見えてきました。

鳥居をくぐり、まずは歩いて30分ほどの所にある、「隋神門」を目指します。
参道の隋神門・杉並木
クマ除けのクマ鈴を鳴らし、たっぷりとマイナスイオンを浴びながら、青々とした苔や緑を写真に収めて楽しみつつ、黙々と参道を歩き続けること約30分。
あの有名な「隋神門」が見えてきました。
ずいぶん昔になりますが、JR東日本の「大人の休日倶楽部」のCMを吉永小百合主演で撮影してから戸隠ブームに火が付いたともいわれています。

上の写真の狛犬、昭和62年に寄進された狛犬だそうで、かなり大きいので、初めて見る方は驚かれるかも(^^;

入口から歩いて20分ほどで隋神門に到着!

随神門は、宝永七年(1710年)に建立され、戸隠神社に現存する建造物の中で最も古いといわれており、奥社へと向かう道の途中にある、歴史ある門です。
以下に随神門の歴史や特徴などを一覧表で紹介しますね。
▼随神門 特徴
項目 | 内容 |
---|---|
建立年 | 宝永七年(1710年) |
建築様式 | 三間一戸、入母屋造り |
屋根 | 茅葺き |
構造 | 八脚門(正面4本+控柱8本) |
役割 | 神域への入口、邪気を防ぐ門 |
旧称 | もとは「仁王門」として建立 |
転換の背景 | 明治の神仏分離により随神門へ改称 |
守護神 | 櫛石窓神(くしいわまどのかみ)、豊石窓神(とよいわまどのかみ) |
神の役割 | 天照大御神の孫・邇邇藝命(ににぎのみこと)の随行神として神域を守護 |
機能 | 邪気・邪悪なものの侵入を防ぐ結界の門 |
表記の違い | 一般的には「随身門」だが、戸隠神社では「随神門」と表記 |
▼神域を守る2体の随神像

写真左:櫛石窓神、写真右:豊石窓神
神の名 | 読み方 | 特徴 |
---|---|---|
櫛石窓神 | くしいわまどのかみ | 左側、口を開いた「阿」の像 |
豊石窓神 | とよいわまどのかみ | 右側、口を閉じた「吽」の像 |
随神門は、神域への”結界”のような存在で、ここを超えると、俗世から聖域に入る、という心理的・精神的な境目にもなっています。
随神門をくぐる前に、改めて一礼し、いよいよ杉並木へ。

門をくぐった瞬間、凛とした空気に包まれ、延々と続く樹齢400年以上の杉並木がとても神秘的な雰囲気を醸し出していました。

素人撮影なので迫力が伝わりにくいとは思いますが、随神門から200本以上のスギの巨樹が約500メートルにわたって続いており、本当に圧巻の杉並木です。
随神門から奥社まであと半分程ありますが、澄んだ空気と静けさがとても心地よく、心が浄化されていく感じがしました。
しばらく歩くと注連縄のついた根元に洞がある杉の木が右手に見えてきます。
この木は、吉永小百合がCM撮影を行った際に穴の中に入って撮影されたとのことですが、今は、木が傷んでしまう為、立ち入りは禁止されています。
写真を撮ったつもりでしたが、撮り忘れていたようなので、フリー画像にあった写真を掲載します。

さらに進むと、左手にお手洗いの看板が出てきます。

看板にも記載がありますが、ここから先、九頭龍社と奥社にはお手洗いがありません。
また、ここからは長い坂道と急な階段が続き、参拝者が多い時間帯になると、奥社・九頭龍社へと続く最後の階段で「1時間半以上の待ち時間があった」という情報もSNSなどで書かれていたため、トイレが近い方は必ずここで立ち寄ってから先へと進んでくださいね。
ただし、下記の点には注意してください。
私は駐車場でお手洗いを済ませたため入りませんでしたが、ネット上の情報によると
- トイレに電気がなくて暗い
- トイレットペーパーがない
- 手洗い場がない
- 水がない
- 使用後のトイレットペーパーは横のゴミ箱へ
とのことなので、「ライト・ティッシュ・除菌シート」の持参を。
2~3時間トイレに行かなくても平気な方は、「駐車場のお手洗い」に立ち寄ることを強くオススメします。
お手洗いからさらに先へ進むと、左手にひっそりと佇んでいるのが「飯綱社」です。

杉並木に包まれた静かな空間に佇むこの社は、飯縄山の神を祀った由緒ある神社で、日本第三の天狗ともいわれている「飯綱大明神」が祀られ、不思議な力を授ける存在として信仰されていますので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
長い坂道を歩くと、最後は急な階段が見えてきます。
その階段を上ると手水舎があり、さらに階段を上がると、ようやく九頭龍社と奥社に到着です。

最後の階段は、ちょっと息が切れてくるかもしれませんが、頑張ってくださいね!(笑)
ようやくたどり着いた手水舎で身体を清め、ホッと一息。

九頭龍社へと続く階段前には、明治3年(1870)に作られた江戸時代の名残がある「角の生えた狛犬」が構えの姿勢で置かれています。

参拝順路の案内に従って階段を上がり、九頭龍社へ。
九頭龍社

九頭龍社 基本情報 | |
---|---|
ご利益 | 縁結び・虫歯の神・水の神 |
御祭神 | 九頭龍大神 |
駐車場名前 | 戸隠神社 奥社入口駐車場 |
駐車場 | 奥社入口に有料P(奥社・九頭竜社と共通) |
九頭龍社は、奥社のすぐ隣にある小さな社で、水の神・九頭龍大神をお祀りしています。
戸隠の地に豊かな水をもたらした神として信仰され、古くから雨乞いや水の恵みに感謝する祈りが捧げられてきました。
近年では、九頭龍信仰にちなんで「願いが叶う社」として人気が高まり、恋愛成就や良縁祈願に訪れる人も増えています。

御祭神は九頭龍大神で、戸隠は嘉祥二年(849)学門行者によって開山されたとされ、江戸時代までは九頭龍大権現といって信仰の中心でした。はじめは恐ろしい山の神でしたが、しだいに修験者に験力を与える神様、そして水の神様、農業の神様になりました。
拝殿の後ろから右上に回廊が続き、その先に本殿が半分入り込んだ洞窟があります。昔、九頭一尾の大龍(大蛇)が戸隠山を守護することを誓って洞窟に籠ったといいます。昭和12年(1937)再建。
九頭龍神社は、一見すると奥社の一部のように思われがちですが、実はその創建は奥社よりも古いと伝えられています。
正確な創建時期は定かではありませんが、古くから戸隠の地を守る「地主神」として、深い信仰を集めてきた神社とのこと。
水の神様、農業の神様でもあるとのことなので、日本の安全を心から願ってきました。
九頭龍社の右手の階段を上がると、最終目的地の奥社へ行くことができます。

奥社

奥社 基本情報 | |
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ご利益 | 心願成就・五穀豊穣・スポーツ必勝 |
御祭神 | 天手力雄命(あめのたぢからおのみこと) |
駐車場名前 | 戸隠神社 奥社入口駐車場 |
駐車場 | 奥社入口に有料P(奥社・九頭竜社と共通) |
「天の岩戸」を力強く開けた神、天手力男命をお祀りしており、九頭龍大神と共に洞窟内に鎮座しているのが特徴で、修験道の修行地として発展した背景があります。
奥社本殿はこれまで雪崩により何度も崩壊し、現在の建物は1979年にコンクリート造で再建されたものです。
かつての神仏習合時代には、天手力男命は聖観音と習合されており、その像は現在、千曲市の長泉寺に安置されています。
標高およそ1340メートルの地にあり、冬季は雪に覆われる厳しい環境の中、今も多くの参拝者が訪れる信仰の地となっています。

戸隠の山には、昔の修験者たちがこもって修行していた「三十三窟」と呼ばれる洞窟や岩屋が点在しています。
九頭龍社の本殿は「龍窟」に半分入り込んだ形で建てられており、奥社本殿内部には「本窟」、「宝窟」があります。
また、「般若窟」や「不動窟」は今でも姿を留めており、一部は鏡池周辺からアクセス可能ですが、道はわかりにくく、整備された登山道ではないため、専門知識や装備が必須です。
気軽に立ち寄るには難しい場所ですが、こうした修験の文化が今も息づいているのも、戸隠の魅力のひとつとなっています。
今回の戸隠神社「五社巡り」の最終目的地である「奥社」の参拝が無事終了!
非常に長い歴史を持つ戸隠神社を実際に訪れることができ、大満足の家族旅行となりました。
九頭龍神社と奥社は、山奥にあるとても小さな社なので、参拝客が増えてくる時間帯にはかなり長い列ができて待ち時間が1時間半を超えるというのも納得です。
我が家は最初の宝光社を6時ごろから参拝し、最後の奥社には9時半ごろに到着しましたが、奥社のみ参拝する方もいるため、お守りや御朱印を授かる授与所には、すでに順番待ちの列ができていました。

五社すべての御朱印を授かった方には、「五社参拝記念しおり」を授与所にていただくことができるので、ぜひ窓口でお声掛けを。
まとめ
今回は、車で戸隠神社「五社巡り」へ。
一番初めの「宝光社」参拝を6時ごろから始めたことで、その後の「火之御子社」、「中社」、「九頭龍社」、「奥社」参拝もスムーズに駐車場の確保ができ、無事最後まで渋滞に合うことなく巡ることができました。
特に、奥社へと続く参道では、CM撮影もされた「随神門」や「小百合杉」、500mほど続く樹齢400年を超える杉並木を歩きながら、木々の緑や苔の深い色合いに心が癒され、日常とは全く異なる厳かな雰囲気やピリッとした空気感を感じることができたので、本当に行って良かったです。
あなたも戸隠神社「五社巡り」を体験してみませんか?
この記事がこれから初めて参拝される方にとって参考になれば幸いです。
▼戸隠神社 五社巡り「旅行計画お役立ちマップ」や、当日利用した駐車場などを紹介しています

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